南伊豆で農家になりたい
って人がたまに訪ねて来てくれます。
日本晴は農家になって丸3年、経験もまだまだ浅い、
農家として発展途上であることは間違いないけど、
都会育ちのサラリーマンやった自分達が、ド田舎で新規就農して続けてこれてる、
という点で、特に同じような環境の人に何か伝えられることがあるように思います。
田舎で農家になって、やっぱいいなぁと思う。
毎日、自然に触れあったり、自然のことを探求したりできるし、
美味して健康な野菜を育てる楽しみ、お客さんと分け合う楽しみもあるし、
野菜や米を作る、命を育てるってのは、生きることに直接繋がる、人間の根源的な役割のような気もする。
また、田舎ではまさに年々耕作放棄地が増えていってるから、農家は単純に放棄地解消という面でも役に立てるし、
その耕作放棄地が、メガソーラーや大型施設ではなく、「田園風景の代名詞的な田畑」として生かせるのは、まさに農家やと思う。
田舎で頭に浮かぶ仕事っていえば、一次産業の農家や漁師、または猟師って人も多いかもしらん。
だから、南伊豆で農家になりたい
って人は応援したいなぁと思うし、ぜひともそんな人が増えたらいいけど、
実際、農家ってめちゃくちゃ大変やで!
命を育てることはそもそも不確定要素が大きく、自然災害ももろに受ける。
頑張って育った野菜も100円、200円という、いわゆる薄利多売になりやすいし、
(全国的に不作のため野菜が値上がり、というニュースにあんまり騒がないで!野菜は人工物じゃなくて自然なんやから)
もちろん生産だけじゃなく、販売、経理、営業、設備管理、色んな要素を同時にこなさなアカン。
生産面でいうと、多品目の野菜をやるなら、それこそ、大根、小松菜、
ほうれん草から、ナス、トマト、キュウリのその土地にあった育て方やタイミングを
一つずつ理解していくことが必要やし、
支柱類や耕運機など初期投資も、かなりの額が必要になってくる。
失敗に失敗を重ね、ついに無事に実ってくれた野菜が、そのまま売れてくれればいいけど、
売り先が無ければそのまま畑に戻っていくだけになる。
生鮮物は日持ちがせーへんから、それそこ生産と連動した販売が必要で、
ちょっとタイミングが悪ければ、あんなに頑張ったのに畑の肥やしか。。。という泣きを見ることも多々。
生産、販売、経理、営業、設備投資、初めてのことばかりで、もちろん失敗も多い。
そんな苦労が積み重なっていくと、
あぁ、サラリーマンの座っているだけで給料がでるなんて、
有給休暇ってなんやねんっ、長期連休ってなんやねんっ、
もう世の中無茶苦茶やなっ、
とモヤモヤすること必須!!笑
新規就農者は慣れるまで本当にアップアップ。
と、ここまでは、新規就農者にとってはだいたいみんな同じ問題。
ここからはさらに田舎特有で、
南伊豆でも場所にもよるけど、田畑一枚一枚の面積はかなり小さいし、
形も四角じゃなくて、その土地の形のままで、台形とかいびつな形が多かったり、
更には草刈面積も超広い。
農作業の効率、という面ではデメリットが超でかい。
研修していた徳島は、畑1枚がドーンと1反~数反はあって、
しかも畑と畑の間はコンクリートできれいに整地されていたけど、
こちら南伊豆は猫の額ような畑もあり笑、さらに畑と畑の間は草だらけ。
夏場の草刈りやばい。苦笑
でも、田舎でいくら効率悪かろうと、苦労をしたであろうと、
野菜の価格は他と同じ価格で勝負することになる。
つなり、田舎は農業地帯に比べて同じ働きで同じ量を作るのは難しいのに、価格は同じで勝負しないイケナイ。
だからどんどん田舎の農業が廃れていってしまう。
南伊豆で農家を目指したい方は、そうした流れにまさに逆行していることになるから、強い覚悟と目指す夢を!
本当は、南伊豆で農家になりたいって人は、なんの不安もあおらず応援したいところやけど、
新規就農して不幸になった人も身近にいるし、自分だって死ぬほど苦労してるし、
それこそ、南伊豆で専業農家として続けてこれてるって人って本当に少ない。
(農家を目指した→断念してバイト生活ってパターン多いで。)
だから、ここで農家になりたいって人は心配になるけど、僕たちと同じようにここでやる意義を感じる人にはぜひぜひ!!
大変やけど、やっぱ他とは違う味がめちゃくちゃあるで。
コメント