岡山前半の歩み

10月31日~11月2日
岡山市の里山農場さん。
ここは有機農業参入促進協議会のwebサイトで奈々が調べて、コネなしいきなり電話で尋ねたところ体験農業可能というお話を頂き、しかも当初は近くに車中泊でもしながらと思っていたら、訪問直前になって2泊ぐらいなら宿泊OKとの有難いお言葉を頂き、最終的に2泊させて頂くことになった。
2名の若手研修員&パートさんをかかえる里山農場では、まさに里山という美しい場所で数ヘクタールの野菜とお米を作る。
個人運営としてはかなり大規模な方。

農場主の山崎さんは有機農業暦12年(13年?)目で、弛まぬバイタリティーを背景に楽しそうなことは全部やってみようという方。
就農前は埼玉県小川町の金子さんのもとで研修し、自給自足やパーマカルチャーに強い興味を持っていたそうやけど、農業を実践していく内に次第にそれらへの興味は薄れていき、今はちゃんと食えて自由度のある農家経営を目指していると言われていた。
自給自足やパーマカルチャーは非効率だったという言葉が印象に残る。

これまでお会いした農家さんも知らないだけでそうやったかもしらんけど、初めて分析的、合理的、経済的な有機農業を垣間見ることができて驚きと興奮の滞在。
山崎さんの日々の弛まぬ努力あってのことは間違いないけど、ここまで美味しい有機野菜を効率的に作れることに驚嘆した。
あげくに、理論的には慣行栽培よりも有機栽培の方が収量が多くなる、との予想に期待がつのる!
今後の有機農業会は、ますます効率的で大規模なスタイルが主流になっていくという予感が頭をよぎった。
写真 (2)
100m級の畝が何本もある巨大なさつまいも畑、ここでのさつまいも堀りとつるの回収にめちゃめちゃ疲れた。
すごい立派なさつまいもばっかり。
つるは回収して菌床と一緒に堆肥に。
動いた後の充実感は最高で、晩飯と酒がうますぎる。

11月3日
午前中まで山崎さんのもとに滞在させてもらった後、次の予定にあわせて岡山北東部に向かう。
岡山県は結構大きくて移動に時間がかかる。
今日は特に予定がないから湯郷の町営温泉に行ってみたら、人が少なくて露天風呂から川が眺められてめちゃめちゃ気持ちのいいところやった。
湯郷温泉近くにある道の駅(菜々茶屋)にて初めての車中泊。
写真 (4)
コンロを使ってバタバタと料理し、爆音を鳴らす方々がたむろする中でドキドキしながら車中泊の準備。

ランタンや懐中電灯や寝袋は必須。
シガーソケットから変電するインバータも携帯充電に大活躍。
軽バンは積載用量がかなり限られる上、今回は一般的な旅行セットに加えて農作業グッツ、キッチン用品、PCや寝袋や布団などもあるから狭すぎる。。。
寝る場所確保のため邪魔な荷物は車外に出し、窓にアルミシートを装着。
エアーマットを引いてるから寝心地はそこそこ快適やった。

11月4日
朝起きてお湯を沸かしてコーヒーを作り、北西部にある勝山に向かう。
その道中にあった和気(わけ)という場所がとても美しくて気になった。
道中の河原で昼ごはんを作って食べたけど、気持ちの良いところで良かった。
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山崎さんからご紹介頂いた勝山で就農する藤久さんとお会いした後、美作三湯のひとつ湯原温泉を通る。
せっかくやから温泉でも入っていこうかとなり、そこでもっとも知られている砂場という温泉をまず目指してみる。
砂場は露天風呂番付で西の横綱。
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どうやら混浴らしい。
まぁ見学程度、というか、むしろ見学がしたいから行ってみる。
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残念ながら入浴者は全員メンズやった笑
当たり前といえば当たり前か。
ってか、この状況で突入できる女性がいればそれは間違いなくヒーローです。
別の温泉に入って蒜山に向かう。

蒜山は鳥取県との県境に近く、高原があるぐらい標高も高くてかなり寒かった。
冬は積雪や霜のため野菜作り不可。
まるで北杜のような気温と美しい景色と澄んだ空気。

山崎さんからご紹介頂いた山田農園さんを訪問。
車中泊を覚悟してたけど、山田さんの薦めで離れに泊めさせてもらえることに!!!
めちゃめちゃ嬉しい。
山田さんは就農したばかりのご夫婦で、ハウスでのミニトマトを中心として栽培している。
ご主人の実家がこっちなので、子供が生まれた時期にUターンしてきたとのこと。
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予定を詰め詰めにせず、現地で紹介して頂いた方に会いに行こうと思っていたので、それが叶い嬉しい。
行き当たりばったりやけど充実度が高い。

11月5日
午前中はまたしてもさつまいも掘りの手伝いで(笑)、午後からは近くで就農されている蒜山耕藝さんと小椋さんに会いに行くお時間を頂く。
泊めて下さっただけでも嬉しいのに、こんな時間まで頂けるなんて本当に感謝。
蒜山耕藝さんは無農薬・無肥料(耕起あり)で栽培しており、農閑期に緑肥して土の栄養分を蓄えているらしい。
基本は外部から畑に何も持ち込まず野菜を育てること。
自然のありようを尊重し、そこに寄り添いながら育つのを見守る。
初めて採れた野菜は、ブログを見てくださっていた見知らぬ方が結構買って下さったという高谷さんの話に感動。

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気持ちのいい畑だった。虫にも食べられず奇麗に育つ大根。

小椋さんは自分と同じ名前(隆太)やから、同じタイプの人かもと勝手に想像してたけど全く違うタイプの方。
現地工務店のご子息で、漫画の絵が上手で(農業系の漫画を執筆中)、PCやカメラや動物や自然が好き。
発泡スチロールの御殿を工務店の横に建設中だったり、お金がかかるライスセンターまで調達する経済力が段違いの方。
ただし、おたくすぎて…車がガンダム仕様だったり、少女系の漫画を描いていたりでマジで大爆笑。
農業系の漫画を描くために自分で農業をしようと思ったことがきっかけで、いつの間にか地域の田んぼを一手に担うエースとなり、12ha、100枚ぐらいの田んぼを試行錯誤しながらやっているらしい。
農業と言ってもいろんな方、いろんなやり方があると改めて実感する。

11月6日
午前中は山田農園さんでトマト収穫のお手伝い。
午後からは岡山県南部にある牛窓町の飯山農場さんへ。
牛窓町は日本のエーゲ海と呼ばれているらしく、海に面して温暖な気候で、国立の匙屋さんというお店の方もそこに移住されたと聞いていて、気になっていた場所。

飯山さんは面識もなくコネもなく、インターネットで奈々が探して見つけ、電話でお会いしたい旨を伝えたところ快諾してくださった。
畑は高台から海の見える位置にあり、めちゃめちゃ感動。
ここは温暖で災害も少なく、理想的な環境かもしらん。
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この写真では海は見えへんけど…

今日の宿泊地はまた道の駅かなぁと思っていたけど、風呂に入るために長船サービスエリア(高速ではなく国道にある)というところに行ったところ、ここは安全に寝れそうなことが判明。
ぐっすり寝れた。長船さん、最高っす!!!
寝る前の酒はかかされへん。
この日は精神的、肉体的にピークを迎えていたのか、奈々が3回泣き、4回酒をこぼして爆笑した。
不安な中で毎日一生懸命やってきたからね。
自分んちの落ち着きが恋しい。
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この日はさんざんやった。奈々’s barを限定でオープン。

人、場所に出会うたびに自分自身への問いかけが続く。

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