野菜の栄養分析って聞いたことありますか?
僕は徳島での農業研修時代に初めてそのことを知りました。
徳島では、有機農業や自然栽培といった環境配慮型の生産者やバイヤーが集う、
日本有機農業普及協会主催のオーガニックエコフェスタというのがあって、
そのフェスタ内で生産者の野菜の栄養分析コンテストを開催しています。
師匠は、そのコンテストに毎年参加していて、数々の有機農業者をおさえて最優秀賞を受賞したり上位入賞を繰り返したりしていて、めちゃくちゃ驚いたのを覚えています。
それからというもの、僕も独立したら自分の野菜の栄養価を調べてみたいと思うようになっていて、
ついに、
ついに、
念願がかない、先日分析をお願いしました!
今回はその結果を包み隠さず報告しようと思います。
栄養分析のためにしたこと・・・
どの野菜の分析をお願いしようかと考えました。
人参もネギもそれなりに自信がある。
けど、やっぱり師匠がよく分析している「ほうれん草」にすることに!
事前に申請用紙を2枚作成し、メールで提出。
それから、検体として収穫したほうれん草500gを分析機関であるメディカル青果物研究所に発送しました。
さて栄養分析の検査結果!!
検体を発送してから2週間後に、検査結果がメールで届きました。
我が子の試験結果のごとく、かなりドキドキしてメールを開封。
おおぉーーー!!
さすが無農薬・無肥料の自然栽培!!!
信じてたで!
そのまま全部載せても分かりにくいので、関係する箇所を抜粋して説明します。
日本晴のほうれん草と、一般との栄養価の比較
日本晴 ほうれん草 | DB平均値(ほうれん草/2008~2018年/12月~1月) | |
Brix糖度(%) | 10.6 | 9.0 |
抗酸化力 〈植物ストレス耐性力〉(mg TE/100g) | 174 | 119 |
ビタミンC(mg/100g) | 120 | 76.2 |
硝酸イオン(mg/kg) | 25.0以下 | 1580 |
食味評価 | 5 | – |
まず栄養価の表を必要な箇所だけ載せています。
日本晴ほうれん草は、
糖度、抗酸化力、ビタミンCの数値が断然高い。
これらはもちろん高ければ高いほど望まく、特に抗酸化力とビタミンCは人間の健康面に直接的に影響してきます。
一方で、日本晴ほうれん草の硝酸イオンはないと言い切っていいレベル。
それに比べて平均値の硝酸イオンは1500以上とすごい値。
硝酸イオンが多いと、野菜のえぐみになるとともに、健康被害、発がん性、地下水汚染、ブルーベイビー症候群などの原因にも繋がると言われています。
例えば諸説ありますが、健康面に関してはこちらで説明されています。
僕自身の理解といえば、健康面に関しても当然気になるけど、そもそも硝酸イオン数値が高いとエぐみがあってマズイ、野菜の日持ちがしない、環境汚染に繋がるなどマイナス面ばかりなので、なければない方が絶対にいいと思っています。
食味評価に関しては、最高値の5です!
レーダーチャートで比較
自分でレーダーチャートを作ってみました。
抗酸化力は1.5倍、ビタミンCは1.6倍もの違いが出てる一方、
硝酸イオンは雲泥の差、ということが一目瞭然です。
総評コメント
分析頂いた、メディカル青果物研究所さんからの総評コメントをそのまま載せます。
DB平均値(ほうれん草/12~1月)と比較すると、抗酸化力〈植物ストレス耐性力〉に関して約1.5倍、ビタミンC含量に関しても約1.6倍の非常に高い値となりました。
Brix糖度についても、平均値の約1.2倍の高い傾向が見られました。
硝酸イオン含量については、検出下限値以下の非常に低い値となりました。
食味については、葉は弾力があって歯ごたえがあり、茎部分の甘味が非常に強く、旨味が濃厚でほうれん草の青味も濃く感じて、非常に美味しいという評価でした。
全体を通して、大変良い結果となりました。
最後に
割と知られていないかもしれませんが、野菜の栄養価は「旬の時期」が最も高いです。
自然の摂理に従ってすくすく育った野菜、それが一番いいというのは、本能的にも理解できるし、またそれは科学的にも証明がされています。
図によるとビタミンCにしても抗酸化力にしても、旬の時期は3~4倍も高いです。
またデリカフーズさんにも同じようなことが記載されています。
そして、今回のほうれん草の栄養分析は、上の表から分かるように旬同士の比較です。
つまり、たとえ旬であったとしても、栽培方法によって栄養価に大きな違いがでることが分かりました。
「野菜の見た目は似てても中身は非なり」
野菜を沢山食べるなら、その時期や質を選ぶと意味が何倍にも増します。
自然に沿った自然栽培、ほんとすごいなぁと思います。
それを解明し始めた科学ってのもすごいなぁと思います。
でもいつも科学は自然の後追いやから、やっぱり自然ってすごいで!
それと実は、今回の栄養分析は、2019年オーガニックエコフェスタの栄養分析コンテストにエントリーしての、分析でした。
つまり、日本晴ほうれん草は、ほうれん草部門にエントリーされた他の方々との勝負になるわけです。
その結果は!!
残念ながら上位入賞とはいかずっ!!!!!!
ほうれん草部門は競争が激しいうえに、まだまだ農家キャリア3年ちょっと、師匠も経験が浅いといい値が出にくい、といってたので、引き続き頑張ろうと思います!!
ちなみに、過去のコンテスト結果を分析したところ、日本晴ほうれん草の硝酸イオンとビタミンCの数値は間違いなくトップレベルでした!!
これは誇ってもいいでしょーーー。
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