世界の境目が教えてくれること

農業研修が始まってから今日で11ヵ月と12日。
先週は異様に雨が多かったけど、雨でも当たり前のように畑で収穫とか片付けとかやってます。

毎日毎日はたけ。

それでも飽きへん。

確かに農薬や化学肥料を使う一般的な慣行農法に比べて、自然農法は種取りや除草などなどに莫大に手間がかかるし、そもそもここではマルチも使えへんから除草の頻度は多いし、せっかく育った野菜もサイズがばらついたり虫食いがあったり、その他にも何かと不安定要素が多くて、、、自然農法は作り手としてデメリットいっぱい笑。

たとえば、隣のキャベツ農家や大根農家を見てると、おおー、そんなに山積みに収穫しますか的な量で、農薬やF1種のお陰で同時期に同品質で同サイズの野菜が育つから、収穫は何も気にせず手前から順にしていくだけでらくちん極まりなし。

こちらといえば、例えばキャベツや大根やニンジンは育ちにばらつきがあるから、最適なのを収穫するのに畑を散策する必要があって、単に収穫ひとつだけみても時間も手間もかかる。

だから大変。

でも面白い。

普通の野菜は腐るけど、自然農法の野菜は腐らずに枯れる。
これって有名な話で、今の環境にいてるとほんとやねんなぁってマジマジと思うねんけど、実は野菜の何がどう作用してそんな違いがでるのか僕は知りません。。。

でも毎日畑にいると、牛糞が敷き詰められた畑とうちの畑ではまるっきり土の状態が違うことは明らかやし、腐る枯れるの科学的根拠を知らなくても、同じ野菜で中身が別物ということがありえるのは実感として分かる。

同じ野菜でも、見た目が同じでも、中身は違う。
信じられるでしょうか。

徳島で開催される小松島オーガニックフェスタで栄養価コンテストというのがあって、デリカフーズ社が野菜の栄養価(糖度・抗酸化力・ビタミンC・硝酸イオン)を分析しています。

研修先もここ何年かこの栄養価コンテストに出品してて、毎年ハイスコアをたたき出しています。有機栽培の野菜も投入する肥料の分析が進んできてて、高いスコアを出すようになってきたそうです。

まぁそれはさておき、ここで確かなことは、見た目が同じでも栄養価が変わるということ。
それも愕然と数値が違ったりします。

でもよくよく考えてみると当たり前のことなんやろうなぁと思います。
栄養ドリンクやサプリメントばかり食べている人と、野菜や米などを食べている人では、何がいいとか悪いとかは置いといて・・・見た目が同じでもやっぱり中身は違うでしょう。

自然の世界は、デジタル化が進む現代社会とは正反対で、アナログのなかのアナログ。
だからこそ、僅かの違いであってもごまかすことはできず、その違いが確実に次の変化を生み、その変化が積み重なって結果となって現れる。
たまたまということは絶対にない。

そして因果関係は目に見えるものばかりでなく、さっきの栄養価もしかり目に見えないものも関係してたりする。

さて、目に見えないものにどれだけ気づけるか。

毎日農業をしてると、まだまだ11ヶ月の半人前にも満たない者でも、目に見えない世界をぐっと身近に感じるようになってきた。
重い軽い、硬い柔らかい、強い弱い、熱い寒い、温かい冷たい、美味しい不味い・・・・自信がなかった味覚も昔に比べて鋭くなってきたし。

自然の力を宿す畑が、自然界と人間界の境目が、視覚以外の五感を鍛えてくれるんだなぁと実感します。

雨の日でも風の日でも毎日畑にでるのは正直辛いときもあるけど、やっぱ面白い!

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