今日の午前中、南伊豆から無事に帰ってくることができました。
徳島⇔南伊豆間を軽バンで片道11時間かけて行ったことも、将来性不明であるにもかかわらず地元の方々から本当に親切にしてもらえたことも、徳島に帰ってきた今はもう嘘やったんちゃうかという感じがします。
この4泊5日はかなりハードでしたが、うれしい偶然の出会いの連続で、その流れに身をまかせるような日々でした。
○ 1日目 2月4日(水)
シロをお世話してくださるお隣さんにご挨拶し、8時半に出発。
予定より出発が1時間遅れになったけど、快晴もあってテンションは極めてアゲアゲ。
お気に入りの曲をリピート再生100回ぐらいして、二人でその歌詞を完全にマスターする。
が、声が枯れてしまい、無駄に体力を浪費してしまったことに後で気づく。。。笑
片道600km、9時間ぐらいで到着する予定やったのに、着いたのは夜の7時半でした。
昨年もお世話になった、地元有機農家の横田さん宅に宿泊。
南伊豆の温泉は最高!
○ 2日目 2月5日(木)
奈々の友達経由で紹介して頂いた黒田さんと役場で待ち合わせ。
黒田さんは猟師と伺ってたから朴訥なイメージを持ってたけど、かなりオシャレでかわいいパタゴニアのフリースを着こなすおじさんでした。
何と南伊豆町長の後援会長もされているらしく、そのまま役場の応接室で町長と面会することに。。。笑
いきなり町長、黒田さん、役場の農業担当課長に囲まれて移住相談が始まる。
この時点で、南伊豆には家も畑も由縁ないけど、南伊豆に移住しなければならないことが確定。
ま、もちろん脅迫じみたことは一切なく、初対面にもかかわらず僕たちの希望する物件を記憶を頼りに探してくれる。
そして、町長お勧めの物件(古民家)を、車で15分はかかる場所でしかも雨が降ってるのに、町長自らそこに出向いて案内してくださった。
なんでこんなに親切にしてくれるのかと聞くと、嘘か本当か、南伊豆では人口減少が激しくて消えていく町とも呼ばれており、移住促進が最重要業務だとおっしゃっていた。
(確かに、他の地元の方からも同じような話を後で何度も聞いた。)
で、紹介して頂いた古民家は、藁ぶきの大きな家で梁や柱が美しかったけど、雨漏りでキッチンがぼろぼろ。
大規模な修繕が必要になりそうなため、とりあえず検討するということで。
その後、黒田さんから地元の有力な有機農家さんを紹介して頂いたり、町長が理想郷と呼ぶ集落に案内してもらったりする。
この際に聞いた、猟師として黒田さんの、山を海を守る一言にはずしっと重みがあって感動した。
午後からは、事前にネットで目をつけてた古民家2軒を不動産屋さんに案内してもらう。
どちらも写真がお上手で、、、予想よりも敷地が狭かったり、日当たりが悪かったりで、完全にいまいち。
もしほかに物件がなければこのどちらかにしよう、と思っていただけにかなりがっかりする。
昨夜と同じく横田さん宅のお世話になる。
○ 3日目 2月6日(金)
早朝は町内の各エリアを車で探索。
伊豆町と言っても大きくて集落は35個ぐらいある。
海沿いの集落はきれいな海が望めて景観が素晴らしいけど、風が強く塩害がひどくて育つのはアロエばかり、そもそも畑もほとんどないという状況のため、海沿いはあきらめて中山間部を候補地として考え始める。
10時、地元工務店のお嬢さんと待ち合わせ。
この方は、山梨県の共同出荷グループのらごころのメンバーの幼馴染ということで紹介頂いた。
空家物件と思われる古民家の場所を幾つか教えていただく。
とりあえず、時間の都合からその空家物件のチェックは後にし、午後は横田さんの友人で、隣りの集落である市之瀬に空き家が2軒ある、というので見に行く。
1軒目はその友人宅のちょうど上のほうにあり、広さもほどほど、古さもほどほど、昭和風で木のサッシが可愛いい、なかなか良い物件!!
かなりの掃除は必要そうやけど、母屋自体はそのまま使えそう。
隣の納屋はぼろぼろ。でも、修繕したらいい感じで使えるかも。
そしてなんとっ、2軒目は、1日目に町長さんから紹介頂いた古民家でした。。。
世界狭し。
実は市之瀬という集落は、去年3月に南伊豆にきた時に、この辺りはいい感じやなぁって話してた場所でした。
これはなんていうめぐりあわせ!!!
そしてなんといっても、話をした感じでその集落のおじさんやおばさんは、みんな喜んで歓迎してくれそうな雰囲気ではないですか!
実際、これが一番うれしい。
とりあえず、隣のおじさんから、1軒目の昭和風民家の大家さんの住所と連絡先を伺う。
そして、緊張しながらも早速その大家さんに電話してみると、貸してくれるという。
さて、いざ家が借りられるとなると、本当にここで間違いないか、畑やその他の環境は問題ないか、金銭的にはやっていけるか、などいろんな不安が襲ってきた。
焦って決めないようにと、即決は避ける。
この後、午前中に教えてもらった空家らしい家をいくつか見に行く。
こちらもなかなか魅力的!
でも日当たりが悪かったり、幹線道路に面していたりして、もうひとつ決め手に欠ける。
夜は奈々の誕生日ということで、地元の居酒屋”キャラ”でささやかなパーティー!!
そして、近くの民宿”フクヤ”に宿泊。
キャラのご夫婦もフクヤのオーナーも、親身になって家の相談に乗ってくれる。
なぜかみんな良い人ばかり。
○ 4日目 2月7日(土)
東京にいる建築士が南伊豆に来てくれる。
昨夜に招集をかけて今日来てくれるという、なんてフットワークの軽い建築士やろ(笑)
ほんまに感謝です。
さっそく、彼に昨日の昭和風民家とその近くの古民家をチェックしてもらう。
その昭和風民家は、住居として問題はなさそう、隣の納屋も改築したら使えそうなどのアドバイスを頂いてほっとする。
古民家のほうは、やはり大規模な改築が必要ですぐには住めない状態。
奈々と話し、この昭和風民家に決めた!!
そして、昨日電話した大家さんに急いで電話。
今日、徳島への帰り道に、そちらに伺って賃貸のお話をさせて頂きたいのですが?
いいよ。
との返事。
おーーーっ、なんていう展開の早さ!!!
建築士と昼ごはんを食べ、急いで南伊豆を後にする。
大家さんの家は静岡県清水市にあり、南伊豆から3時間。
のはずが、渋滞のため4時間ぐらいかかり、真っ暗な中に到着してしまう。。。
この賃貸の交渉がダメになったら、金額面で折り合いがつかなかったら、お父さんがよくてもお母さんがダメと言ったら、何の結果も徳島に持って帰られへん。
もしそうなったら、また片道11時間かけて、ガソリン代や高速代もかけて、会社から休みをもらって、もう一回南伊豆に来なあかんかもしらん。
それは無理かもしらん。
そう頭をよぎって、緊張のピンポン。
家の中には、大家であるお父さん、お母さん、だけと思ったら、その娘さん、その娘さんの子供たちまで一家団らんで机を囲んでいる。
南伊豆旅行の最後の最後で、こんな場面にたどり着くとは予想外すぎて笑ってしまう。
お父さんから、なぜ南伊豆へ移住したいのかなど尋ねられたので、僕達の経歴なども含めてお話した。
その後、お父さんから捨てた故郷に住んでくれるのは嬉しい、と賃貸の快諾をいただく。
家賃も異例なほど安くしてもらえた。
1時間ほど談笑して、皆さん本当に良い方で、大家さんに恵まれてよかったと心から安心する。
二人ともほっとして、真っ暗の高速を徳島へと進む。
でも今から徳島まではさすがにしんどいから、途中の刈谷SAにて車中泊。
○ 5日目 2月8日(日)
朝4時から走り、9時ぐらいに無事徳島に到着。
シロちゃんは会うとたん、いつもと変わらずご飯を要求するニャーニャー。
4日も離れてたのに、親の心子しらずとはこのことか笑
出発前はまさかこんな展開になるなんか全く想像してなかったけど、不思議なぐらい、昔から二人が望んでた結果へと繋がった。
人生って面白いなぁ。
コメント