岡山後半の歩み

11月7日
岡山地域就農オリエンテーション1日目。
今までは農家さんのもとに滞在やったけど、この2日間は行政主催のオリエンテーションに参加(費用無料)。
岡山県が就農希望者に対して、農家さんや土地や風土を紹介することで移住促進を狙う目的。
出発前に池袋で開催された新・農業人フェアに行った際に岡山の就農担当者からこの話を伺い、その場で参加を表明した。

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参加者は夫婦や単独、年配や若者など多様な層だった。
東京や千葉など関東からの参加者もちらほら。

1日目のオリエンテーションで訪れたのは、備前中央市のぶどう農家さん、岡山市高松地区の有機農家さん、岡山市南部の葉物の農家さん。
興味があった有機農家さん、話を聞いてみると数十年前から地域でグループ化してスーパーや直売所に販売しているようだったが、メンバー全員がかなりご高齢の様子で、ここできちんとした研修が受けられるのか疑問に残った。
有機農業会は、有機農家の走りといえる30~40年前と今の世代ではずいぶん世代の乖離があり、協働や交流が少ない印象を受ける。
農業は技術だけでなく、土地や家も絡むので若手たちにきちんとしたバトンタッチの必要性をいつも感じる。
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有機農業には参加者の多くが一番興味を示している模様。
市内にあるホテルリバーサイドに宿泊して休む。
この前泊まったベネフィットホテルの方が同じ価格帯なのに優秀やった。

11月8日
岡山地域就農オリエンテーション2日目。
この日訪ねた牛窓地区の有機農家さん、実は6日にお会いした飯山農場さんやった笑
この日は出荷のため飯山さんは不在やったけど、またこの地に伺うとは何か不思議な縁を感じる。
(翌9日に牛窓をドライブしていたら、偶然また飯山さんにお会いできるという不思議。)

午後からは溶液(肥料+水の混合液)でトマト栽培をしている施設に。
データ分析とITを駆使してトマト育成をコントロールされており、なんと今はipadで溶液や水の量を遠隔操作できるらしい。
トマトがハウスの中で肥料と水で点滴されている姿は、拡大化・効率化の代償に大切な何かを失っている異様な光景。
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黒いチューブから溶液が一定のタイミングで根元に供給される。

ここの溶液施設は実はハウスなどの設備会社が研究・開発を進めており、その背景として溶液栽培にはハウスやボイラーやシステムなど膨大な設備投資が前提となるため、その需要を促すのが大きな目的であるように思われる。
お金の流れを考えればそこには会社存続、もっと突き詰めると家族や社員の生存にも関わってくるもので、そこには全うな意義があるわけやけど、命や食の尊さすら脅かす経済とは効率とは何なのか、よくわからなくなる。
溶液栽培のトマトはすでに市場にも出回っており、栽培環境はパッケージに表示されてないから、知らず知らずで口にしている方も多いのが現状。
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他には、長浜地区の観光栽培(白菜、キャベツ)、お米+五穀合鴨にも行った。
長浜地区の白菜やキャベツは圧巻で、そこまでかというぐらい町のいたるところが白菜やキャベツで埋まっていた。

情報収集としては、農家さんのところに滞在して話を聞くのが一番実践的ではあるものの、オリエンテーションはざくっと県の全体像を掴むのに最適だと思う。
行政視点での説明は勉強になることもある。
たとえば、よく知られている青年就農給付金(準備型、150万/年)については、岡山県ではこのオリエンテーションのスキームに乗らないと受けられないらしい。。。
そしてこのスキームに乗るとすれば、研修が受けられる有機農家さんは2つだけ。
つまり、他の有機農家さんのもとで修行すると助成金が下りない。
更に、就農地はその農家さんがいる地区町村に限定されるといった制約もある。

夜は極楽ともいえる長船サービスエリアさんへ。
ここは温泉(+レストラン)が併設されてるから、からだを癒してすぐに寝れるんがほんと幸せ。
車中泊に慣れてきたからか、テキパキと準備ができるように成長してきた。
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この日はささっとラーメン。
寒くなってきたから暖かいのが美味い。

11月9日
綺麗な朝焼けで1日が始まる。
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重宝していたエアーベットに、早くも穴が空いてるらしいことが判明。
もうペッタンコでエアーベットの面影はなく、単なる敷物と化してしまった。
エアーがあると暖かくてよかったのに一層寒くなるわ…

岡山市で自然農を実践されている”そよふく農園”さんを伺った。
自然農に興味があり、ネットで調べたところ岡山内でヒットしたのがこちらやった。
メールでコンタクトさせてもらったら快く対応して下さった。
有機農業からさらに自然に即して野菜を育てる自然農。
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原則、無農薬、無肥料(有機質肥料もなし!)、無耕起。

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竹のハウスがめちゃくちゃいけてた。

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めちゃめちゃ気持ちのいい畑。

ここで使う道具は鍬と鋤がメイン。
移住前の栃木での数年間は順調に作物が育ったが、こちらに移住してからはかなり苦戦している様子。
関東圏は関東ローム層のために土が肥沃なことが多いらしいけど、ここの土質や日当たりがとても悪いのが原因になっているのだそう。
自然や環境を活かす農法は、自然環境に強く左右される性質のものであることがわかる。
言い換えると、環境の良さがそろわないとできない、普遍性のないものなのかもしれないのかもと思った。

この日もまた、大好きな長船サービスエリアに戻り車中泊。

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